5年ぶりアメリカカブトガニ繁殖成功&赤ちゃん展示

約5年ぶり繁殖成功!
アメリカカブトガニの赤ちゃん誕生と展示

エビとカニの水族館では、このほど2億年前から姿を変えていない 【生きている化石】アメリカカブトガニの産卵(2024年11月13日確認)と孵化(2024年12月16日)に約5年ぶり成功し、孵化したばかり幼生の展示を2024年12月19日より開始しました。(幼生の展示は約10個体)

アメリカカブトガニは旧エビとカニの水族館時代より20年以上常設展示を行い飼育していました。その間、産卵の確認は数回ありましたが孵化には至りませんでした。そのような中で2020年1月に水槽内で偶然発見した卵から孵化に初めて成功しました。その後安定して繁殖を行うことを目標に試行錯誤を繰り返し、このほど当館では2回目、約5年ぶりの孵化成功となりました。

孵化直後の幼生(赤ちゃん)は体長3mmととても小さいながら親とほぼ同じ形をしており、三葉虫に似ていることから”三葉虫幼生”と呼ばれています。特別展示スペースでは孵化したばかりの幼生を、特設の水槽で展示し、顕微鏡で撮影した卵の中で動く幼生と孵化する瞬間を撮影した貴重な映像をモニターで見ることができます。

アメリカカブトガニは全国の水族館で飼育されているものの繁殖例は非常に少なく、ふ化直後の幼生の姿を観察できる機会はほとんどありません。この機会に生きている化石として有名なカブトガニの不思議な繁殖生態と貴重な幼生をぜひご覧ください。

産卵した個体(親個体)と卵

 

ふ化直後の1齢幼生

 

産卵1日目の卵 産卵14日目の卵 産卵23日目の卵
孵化直前の卵 孵化直前の卵2 孵化した直後の1齢幼生

*通常アメリカカブトガニは水温30℃前後では産卵から14日ほどでふ化します。
当館では水温を低めに設定したところ約30日でのふ化となりました。

展示水槽 1齢幼生は体長3㎜ととても小さいのでじっくり観察できるよう複数個体を展示。
モニターではふ化の瞬間をとらえた貴重な映像をご覧いただけます。

 

大変貴重なアメリカカブトガニの幼生をこの機会にぜひご覧ください。